三叉神経痛について

世界をげんきにする!人形町、神保町にも近い茅場町の励まし女性整体師 鶴見光沙子です 😀


3月30日に来院された患者様のなかで、過去に三叉神経痛に悩まされたり、頭痛が酷くて病院に

行かれたら三叉神経痛と言われてしまったという方がお二人もいらしたので、ここで三叉神経痛

について詳しく記載してみます。


三叉神経痛(特発性三叉神経痛)とは何?

三叉神経痛とは顔に痛みのでる病気です。

顔の感覚(いたい、さわった、つめたい、あついなど)を脳に伝える神経が三叉神経ですが、こ

の三叉神経に痛みが起こり、顔を痛く感じるのが三叉神経痛です。

いろいろな理由でおこりますが、特発性三叉神経痛という、むかしは原因のわからなかったもの

が、じつは脳に原因があっておこることがわかってきました。


三叉神経痛の症状とは?

三叉神経痛の顔の痛みにはかなり特徴があります。痛みは非常に強いものですが、突発的な痛み

です。一瞬の走るような痛みで、数秒のものがほとんどで、ながく続いてもせいぜい数十秒で

す。5分10分と続くような痛み、じりじりとした痛みなどは三叉神経痛ではないことがほとん

どです。

三叉神経痛では痛みはいろいろな動作で誘発されます。洗顔、お化粧、ひげそりなどで顔に痛み

が走ります。そしゃく(ものをかむ動作)に誘発されることもあります。つめたい水をのむと痛

みが走ることもあります。痛みで歯磨きができないこともあります。触ると痛みを誘発されるポ

イントがあり、鼻の横などを触ると、顔面にぴっと痛みが走る、という場合は三叉神経痛の可能

性が高いです。 季節によって痛みが変動するのも特徴で、11月や2月に痛みがひどくなる方

が多いです。

三叉神経には三つの枝があって最初の枝がおでこ、2番目の枝が頬、3番目の枝が下あごにいっ

ています。この枝の範囲に痛みがおこるのが特徴です。1本の枝にだけ痛みが出る場合と、2本

以上にでることがあります。たとえば1番目と2番目(おでこと頬)、あるいは2番目と3番目

(頬と下あご)というような分布の痛みが起こります。しかし1番目と3番目というようにス

キップして痛むことはありません。


三叉神経痛の診断

三叉神経痛の診断には、痛みの症状や病気の経過の詳しい聞き取りがもっとも大切です。この病

気の診療になれた医師がくわしく問診することによって、かなり病気の診断の見当がつきます。

しかし痛みが典型的でない場合や、患者さんの症状の訴えがあまりはっきりしない場合、なかな

か診断が簡単ではないこともあります。あとで書く、内服薬(カルバマゼピン)を試しに飲ん

で、症状が楽になる場合は、三叉神経痛の可能性があります。またMRIの撮影も有用です。三叉

神経痛の数%は、脳腫瘍が原因で起こっていることがあり、そうではないかの確認が重要です

し、また神経が血管で圧迫されている様子が直接確認できることもあるからです。


区別しなくてはいけない病気

三叉神経痛(特発性三叉神経痛)と区別しなくてはいけない病気に、帯状疱疹後三叉神経痛があ

ります。帯状疱疹はウイルス(ビールス)がおこす皮膚の病気です。水ぼうそうのウイルスの親

戚ですので、皮膚の症状は水ぼうそうのような小さな水ぶくれがいくつもできた後、かさぶたに

なるのが特徴です。帯状疱疹のウイルスは神経にひそんで、神経に沿ってあばれるのが特徴で、

顔では三叉神経の分布に一致した皮膚の症状(皮疹)が出ます。過去に顔に帯状疱疹がおこった

ことがあると、あとあと特発性三叉神経痛と同じような痛みが出てくることがあります。痛みの

性質だけでは区別がつきません。帯状疱疹が顔に出たことがなかったかよく問診する(思い出し

ていただく)ことが区別の手がかりです。

このほかに、顔の痛みは、副鼻腔炎(耳鼻科の鼻づまりがもとでおこるもの、むかしの「蓄膿」

のような状態)、特殊な脳梗塞、たくさんの歯を抜いた後などいろいろな理由でおこります。帯

状疱疹後三叉神経痛以外は、よくお話を聞くと痛みの性質が三叉神経痛とは違っています。

耳の前には顎関節という顎の骨と頭蓋骨のくっつく部分があり、関節になっています。ものをか

むときに顎をうごかしたりするとこの関節に痛みがでる場合があり、また顎をうごかさなくても

痛むこともあり時に三叉神経痛と間違えられます。口腔外科などでレントゲンや触診、問診をす

ることによって区別ができます。

群発頭痛は眼の周りや奥のはげしい痛みを起こします。痛みの性質としては、激痛で、眼をえぐ

られるような痛みが起こります。三叉神経痛とおなじく非常にはげしい痛みですが、三叉神経痛

よりも長い痛みです。また痛みにともなって痛みと同じ側の眼から涙が流れたり、はなみずが出

たりするのも特徴です。お酒を飲むと痛みが誘発される場合があります。しばらく痛みおこりや

すい時期がつづくと半年くらい痛みのない時期がつづくという特徴があり、この点は三叉神経痛

に似ています。

舌咽神経痛は三叉神経痛と同様の痛みがのどの奥に起こります。ものを飲み込んだときに痛みが

ひきおこされます。耳の穴の奥の方、くびの前面にいたみが走るように感じる場合があります

。非常にまれなものですが、三叉神経痛と区別しておく必要があります。


三叉神経痛の治療

1. 内服治療

三叉神経痛は内服薬がよく効く病気の一つです。カルバマゼピン(商品名、テグレトール(R))

というお薬で、8割以上の人で一時的には痛みが消失あるいは相当改善します。これはてんかん

のお薬ですが、神経の伝達を押さえる、ということで痛みの情報が神経に走るのを押さえて、痛

みを軽くします。バクロフェンというお薬もかなり有効です。このほかにバルプロ酸ナトリウ

ム、フェニトインというお薬も時に有効です。バルプロ酸ナトリウムとフェニトインも、てんか

んのお薬です。しかしカルバマゼピン以外は、効果には個人差があります。お薬の治療では、時

に副作用が問題になります。ふらつきやねむ気などの副作用がときにでます。ふらつきや眠気は

多くの場合、4-5日内服していると体がなれて楽になってきますが、どうしてもつらい時は主

治医の先生とよく相談して、お薬の量や飲み方を工夫する必要があります。またお薬の副作用

で、肝臓の機能がわるくなることがまれにありますので、血液検査をときどきする必要がありま

す。皮膚に発疹が出た場合も、お薬による薬疹のことがありますので、すぐに主治医の先生に相

談する必要があります。


2. 手術療法

飲み薬を飲んでいても、どうにも痛みが楽にならないという場合、手術を考えることになりま

す。またMRIで脳腫瘍が見つかったときも、手術を考えることになります。

痛みのでているのと同じ側の耳のうしろの方の皮膚を髪の毛の生え際にそって5-10cm切開

します。皮膚と頭蓋骨の間の筋肉を剥離して頭蓋骨に穴をあけます。頭蓋骨の穴や筋肉や皮膚

は、手術の終わり際にもとに戻してふさいできます。脳を包む硬膜という膜を切開し、小脳とい

う部分と頭蓋骨との間の隙間から5-6cm奥にはいっていくと、脳幹部から三叉神経が出てい

る部分になります。ここで神経を圧迫している血管を見つけて、神経につよくあたらないように

移動して減圧します。硬膜はもと通りに縫合して、頭蓋骨、筋肉、皮膚を塞いで手術を終了しま

す。

脳腫瘍がある場合は、もちろん腫瘍を摘出して、腫瘍の神経への圧迫を取り除きます。


手術は全身麻酔の脳幹部の手術になるため、一定の危険を伴います。全身麻酔自体やはりわずか

ですが生命の危険性がありますし、脳幹部というのは呼吸や循環の中枢でもあり、いってみれば

生命の中枢ですので、ここでの手術操作という意味でもやはり生命の危険があり得ます。外国の

論文ですが、麻酔を含めて死亡率を0.3%とするものがあります。

三叉神経そのものにさわるために、顔のしびれ感や感覚が鈍くなるということも報告されてい

て、報告にもよりますが、数%から1割以上との報告もあります。


この他、三叉神経の付近にある聴神経が障害されると、手術側の耳が聞こえなくなることがあり

ますが、これは熟練した術者でも1%程度おこるといわれています。さらに、三叉神経の周囲に

は眼球を動かす神経があり、これが障害される可能性があります。まれですが、この場合、もの

がだぶって二重に見えてしまうということ(複視)が起こります。


3. 定位放射線治療

定位放射線治療は、脳の外の多くの方向から放射線を照射して脳の深部の一点に強い放射線をあ

てる治療です。ガンマナイフ、サイバーナイフなどがこれに相当します。三叉神経痛の患者さん

の三叉神経に強い放射線をあてると痛みが軽くなる場合があることがわかっています。なぜ痛み

がよくなるのか、詳しくはわかっていません。6-8割の患者さんに有効であると言われていま

すが、長期的にはもう少し効果が落ちるようです。また、痛みが完全に消失する方もいますが、

良くなっても多少は内服薬の併用が必要な方もいます。照射後すぐに痛みがとれず、数ヶ月か

かって症状が改善する方もいます。

手術が根本的治療であるのに対して、対症療法であり、また効果も手術よりは多少劣りますが、

全身麻酔がいらない点が利点であり、全身状態の悪い方や高齢者の方にも治療が可能です。しか

し2005年の春より健康保険が使えなくなり、自費治療で費用がかかる点が難点です。


4. ブロック(三叉神経ブロック)

三叉神経に感覚が伝わるのを防いで痛みの伝わりを減らそうという方法です。神経に直接局所麻

酔薬や神経破壊薬を注射して痛みをとります。局所麻酔薬では麻酔がきれれば痛みが再発しま

す。神経破壊薬では効果は長持ちし、1-2年の間痛みが楽になります。しかし、この間、顔に

しびれたような感覚がのこることになります。神経破壊薬のかわりに高周波の電流で神経を焼く

治療があります。これもブロックと同様に痛みはかなり楽になりますが、やはりしびれ感がおこ

ります。神経破壊薬によるブロックと同様、1、2年たってしびれがよくなってきたころ痛みが

また出てくることが多いです。

三叉神経ブロックと混同される治療に星状神経節ブロックがあります。首の下の方の交感神経に

局所麻酔を注射する治療です。顔の血液の流れがよくなったりするのですが、特発性三叉神経痛

に効果があるという医学的に証明された証拠はありません。


ということで、突発的な激痛が、顔や頭に起こるのが三叉神経痛です。酷くなると分刻みでその

激痛が襲ってきます。気をつけなければならないのは、ただの頭痛だと思ってほっておくと、脳

腫瘍が原因の可能性があるということです。MRIをとって異常がないのに痛みが止まらない場

合は、整体院でも手の施しようがあります。


上記に記載した一般的な治療法は、どれも負担が大きいので良く考えられた方が良いかと思いま

す。かなり症状が軽いものから重いものまで範囲が広いので、日々勉強していきます。

相談アドバイスなども、答えられる範囲でお力になれるように努めて参ります。


来られた患者様は、元気なって帰っていただく!という思いを改めて強く思った1日でした。



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